公認会計士はNumber風にベイスターズを語る

公認会計士の中で最も横浜ベイスターズファンと自負するファンがひたすらベイ愛を語るブログ。ただそれだけ。

ハマのガッツマン桑原将志の復活を刮目せよ!

 

 

 

なんとも懐かしいような気持ちである。開幕前恒例の解説者たちによる順位予想。以前は予想も結果も定位置だった最下位に腰を据えるベイスターズが、近年は上位に予想する解説者も珍しくなかった。しかし今年は解説者の予想は揃いも揃ってBクラス。今年こそはベイスターズが優勝するなどと言われてソワソワしていた近年から考えれば、非常に落ち着いた開幕を迎えられそうである。

 

 

 

しかしこの予想もやむを得ない。不動の4番キャプテンだった筒香アメリカに渡り、チームの精神的支柱ロペスは退団。長年チームを支えた梶谷は巨人へ移籍。近年のベイスターズの躍進を支えた投手陣も今永東をケガで欠き、救援陣も疲労が溜まり下降気味。昨年抑えをはく奪された山﨑の復活も不透明。加えてコロナの影響でソトオースティンエスコバーなどの外国人選手を欠くスタート。近年の強いベイスターズを支えた選手たちは軒並み消えて、今新しいベイスターズへ世代交代をしようとしている最中なのである。誰がどう見ても今年のチームは熟していない。

 

 

 

そんな気持ちでキャンプ、オープン戦と見ていたわけだが、全く予想にしていなかった、というか半分諦めていた選手が存在感を放っていた。

 

 

 

野球は流れのスポーツ、個人能力の合計点だけでチームの勝敗は決まらない。この選手がヒットを打つと、出塁するとチーム全体が乗る。不思議とそんな特別な選手が強いチームには必ずいるのだ。もしかしたらこのベイスターズの窮地を、敗色濃厚な雰囲気漂うシーズンを全く違ったものに変えてしまうかもしれない男が復活の兆しを見せている。

 

 

桑原将志が帰ってきたのだ。

 

 

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元は中畑監督に見初められたガッツマン

 

 

帰ってきたといっても桑原はなにかケガをしていたわけではない。ここ2年極度の不調に陥っていたのだ。元は2011年ドラフトで福知山成美高校を卒業後ベイスターズから4巡目指名を受けて入団した桑原は親会社がDeNAになってからの初めてのルーキー世代である。当時の中畑監督にそのガッツと潜在能力の高さを買われ、3年目の2014年頃から積極的に1軍で出場機会を掴んでいく。

 

 

 

粗削りながらここ一番での勝負、特に巨人戦に強く、延長12回でのサヨナラヒットなどチームを勢いづける活躍を積み上げていく。ムードメーカーとしても存在感を示し、どうしても使いたくなるような、ファンももっと見ていたくなるような選手にどんどん成長していく。

 

 

 

2016年ラミレス監督に変わった後、不動の1番として定着していく。打率は3割弱ながらその積極性とパンチ力のある打撃、盗塁も出来る足の速さ、圧倒的なセンターの守備範囲。誰からどう見てもチームに欠かせない選手に成長する。2017年はチームを日本シリーズに導き、チームの顔として背番号を37から1に変更する。

 

 

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何かがおかしくなり始めた2018年

 

 

チームの代表選手として不動の地位を築いた桑原の歯車が狂い始めたのは2018年からだった。元々勢いで乗っていく選手のため好不調の波が激しいのが特徴ではあった。月間打率4割以上を記録して月間MVPをとったかと思えば月があけると途端に打てなくなる。そんなことが続いて、徐々に"使いづらい"選手になっていったように思う。

 

 

 

乗っているときは自然とバットを強振するのに、不調の穴に入ると思うようにバットが出ずボール球に手を出し凡打を重ねる。いくら守備がうまくても打率が1割では監督も使いづらい。打ってチームを乗せる分、打たないとチームが途端に乗らなくなる。

 

 

 

2019年に入ると梶谷、神里やソトに出場機会を奪われ、2軍生活が長くなる。1軍に上がってきても打てず、守備固めに終盤起用されるだけ。2020年は完全に守備専としての使われ方しかされなかった。

 

 

 

 

ガッツマンの良さは守備固めでは全く発揮されない。レギュラーとして出て打ってチームを勢いづかせる。これが桑原の求めらている役割だ。だが打てない。どうしても打てない。

 

 

 

このまま桑原は守備固めで終わっていくのか、センター不足のチームにトレードされてしまうのか。半ばファンは諦めていたところもあったと思う。それくらい打てていなかった。

 

 

 

2021年桑原は復活する

 

 

しかしこの2021年、オープン戦まで桑原は存在感を示した。まず持ち前の守備力を発揮できたことがよかった。数試合で桑原しかできないようなファインプレーをいくつもやってのけた。そこから自分も乗っていけ、ここ2年で取り組んだであろう打撃の改善も実り、打率3割をキープし続け、久しぶりの開幕スタメンを手中にした。

 

 

 

桑原の復活は客観的に戦力で劣る今年のベイスターズを台風の目にもっていくだけの可能性を秘める。主力選手、外国人を欠くこの若いベイスターズを勢いづけることができるか。

 

 

 

開幕カードは桑原が得意とする2連覇中のジャイアンツ。数年間の悔しさをはらす時は満ちた。セリーグの番狂わせを起こすのはこの男だ。

 

 

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