公認会計士はNumber風にベイスターズを語る

公認会計士の中で最も横浜ベイスターズファンと自負するファンがひたすらベイ愛を語るブログ。ただそれだけ。

ハマのバットマン宮崎敏郎の華について語りたい

 

 

 

スター選手には華がある。中学高校時代からスター街道を駆け上ってプロの世界に来る選手、大学まで野球エリート街道をひた走り満を持してドラフト上位でプロ野球に参入する選手にはどこか華があるのだ。球場で、テレビでプレイを見せるだけでファンを虜にする華が。

 

 

 

一方で経歴は全くの無名高校出身、大学でもドラフトにかからず、嘘をついてまで社会人野球にすがりつきプロの門をこじ開け、今はセ・リーグを代表する右打者になった一味違う華をもった選手がいる。

 

 

 

今日は宮崎敏郎について語ろう。

 

 

 

 

アマ時代は全くの無名

 

 

 

 

 

佐賀県厳木(きゅうらぎ)高校時代は4番投手を務めると共に高校通算で公式戦だけで24本の本塁打を放つも甲子園とは無縁だった。大学は日本文理大学へ進学し、1年秋からレギュラーとして定着する。九州大学リーグでは2度の首位打者、3度のMVP、ベストナインを獲得するもドラフト指名されることはなかった。

 

 

 

宮崎はプロの道を諦めることはなく、社会人野球への就職を試みるがここで10社以上から採用を見送られる。類まれな打撃能力は評価されても身長は172センチと大きくなく、守備も上手くない(後のプロ入り時点でも守備は上手くなかったが、現在宮崎はゴールデングラブ賞を受賞するほど守備が上手い)。見た目も華がなく豆タンクのような風貌とあってはどこの社会人チームも獲得に二の足を踏んだのであろう。

 

 

 

そこで宮崎を拾ったのがセガサミーだった。この時宮崎はセガサミーに1度も守ったことがない『ショートできますか?』と聞かれ、『はい、できます』と嘘をつき採用されている。

 

 

 

 

主にセガサミー二塁手としてレギュラーを張り、第83回都市対抗野球の初戦日本通運戦で逆転本塁打を放つなど勝負強い打撃を印象付ける。

 

 

 

そして迎えた2012年NPBドラフト会議でついに宮崎にプロの門戸が開かれる。横浜ベイスターズから第6巡目の指名を受ける。その年支配下指名を受けた選手全体70名のうち60番目の指名である。

 

 

 

 

宮崎はすぐに頭角を現すも、、

 

 

 

プロ入り後宮崎はすぐに頭角を現す。2013年6月2日には「6番・三塁手」として一軍で初めてのスタメンに起用される。第1打席で2点適時打を放ち、一軍での初安打と初打点を記録。8回裏の第4打席では、この年のセ・リーグの新人選手では最も早く一軍での初本塁打を放った。シーズン通算では、一軍公式戦33試合の出場で、2本塁打、5打点、打率.250を記録する。

 

 

 

しかし、さらなる活躍を期待された2014年シーズン、忘れもしない4月26日阪神戦、二塁手として出場していた宮崎は投手山口のバント処理の送球をよそ見により捕球し損なうという野球史に残るボーンヘッドを犯し、1軍登録を抹消される。その後も1軍のチャンスは訪れず、結果この年5試合の出場に留まりシーズンを終える。

 

 

見たい方は、、

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めちゃくちゃ打撃期待していたのに、「ああ、終わったかもな」と正直あの時は思った。社会人卒のドラフト6位、2年目で26歳。一般的にいってすぐに結果を出さなければいけない立場の選手である。状況はかなり厳しかった。

 

 

 

しかし宮崎はパワーアップして戻ってくる

 

 

 

あのよそ見事件以来、1軍に呼ばれることがほとんどなくなった宮崎だったが、宮崎は決して折れることはなかった。問題のエラーから1年以上が経った2015年シーズン中盤から再び1軍で使われるようになり、58試合の出場を果たす。2016年は開幕当初からレギュラー争いを展開し惜しくも規定打席に届かなかったものの101試合の出場で打率.291、11本塁打、36打点と堂々の成績を残す。

 

 

 

そして2017年、完全にレギュラーに定着した宮崎は最終打率.323で首位打者を獲得しセ・リーグ三塁手部門でベストナインを獲得する。苦労人ここに報われり、である。

 

 

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この年でプロ野球ファンは宮崎の打撃力の高さを認識するが宮崎の発展は止まらない。好成績を収めた次の年にスランプに陥るのでは、とのファンの心配をよそに、「長打を増やす」と宣言し、2018年シーズンは打率.318、自己最多の71打点、自己最多にしてチーム3位の28本塁打を放つ。

 

 

ここで宮崎の成績を並べてみるが、すごいのは試合に出れば出るほど成績が上がるのだ。

 


2013年 33試合 52打数13安打 .250 2本塁打

2014年 5試合 13打数2安打 .154 0本塁打

2015年 58試合 152打数44安打 .289 1本塁打

2016年 101試合 302打数88安打 .291 11本塁打

2017年 128試合 523打数155安打 .323 15本塁打

2018年 155試合 551打数175安打 .318 28本塁打

 

 

 

独特な打撃フォームから繰り出されるファンも信頼の宮崎の打撃だが、2015年あたりから再度宮崎が1軍で出場機会が増えてきたときにファンが驚いた、そして嬉しかったのが守備がめちゃくちゃ上手くなっていたことだ。あのエラーで2軍に漬けらていたあの期間、宮崎が大変な量の守備練習をこなしていたことが目に見えて分かったのだ。苦労人は腐らず、プロとしての階段を登っていた。2018年宮崎は三塁手としてゴールデングラブ賞を獲得する。

 

 

 

 

これからの宮崎がファンに見せてくれるものは

 

 

こんな歴史もあって宮崎はおじさんのファンが多い。宮崎を支えるのはおじさんとコアな女性ファンだ。紆余曲折を経て今年8年目のシーズンを迎える宮崎もすっかりチームの中心選手である。精神的支柱である筒香が抜けたチームの中で宮崎の在り方はまた変わっていくのだろう。

 

 

 

立場が変わっても宮崎の野球へのハングリーさはファンは魅了し続ける。これもまたプロ野球選手のひとつの華の姿なのだ。シーズンがなかなか始まらない厳しい状況が続くが、レフトへライトへ鋭くライナーを飛ばす宮崎の打撃をまた早くみたい。

 

 

 

 

今年の宮崎はファンにまたどんな景色を見せてくれるのだろう。

 

 

 

 

 

*草野球で宮崎のフォームの真似をしても絶対打てない