公認会計士はNumber風にベイスターズを語る

公認会計士の中で最も横浜ベイスターズファンと自負するファンがひたすらベイ愛を語るブログ。ただそれだけ。

今三嶋一輝がめちゃカッコいい

 

 

 

三嶋一輝が今アツい。本人はそれを否定するのだが、2013年のルーキーイヤーから見てきた者として今が一番輝いている。めちゃくちゃカッコいい。

 

 

 

 

不調の山﨑康晃に代わって7月29日からクローザーのポジションに指名されたのは三嶋一輝だった。クローザーのポジションを任されてから既に1か月で8セーブをあげている。失点は巨人岡本のソロホームラン1本のみ。セーブ失敗はまだない。

 

 

 

 

ファンを裏切り続けてきたプロ生活

 

 

 

「自分ほど失敗をしてきた人間はいないと思いますね。期待されて、それを数えきれないほど踏みにじってきた選手ですから」

 

 

 

それはそうだ。法政大学で抜群の成績(4年の秋季リーグ戦では、投球イニング40回1/3で最優秀防御率(0.89)・最多勝利(4勝)・ベストナイン(投手部門)のタイトルを独占)を残して2012年ドラフト2位で横浜ベイスターズから指名を受けた三嶋は低迷するチームの即戦力先発投手として期待された。

 

 

 

ルーキーイヤーの2013年、三嶋は開幕当初から1軍に帯同し、5月頃からローテンション入りをして一度も2軍を経験することなく、6勝9敗防御率3.94を記録した。与四球率はその年の規定到達投手としてワーストと粗削りながら、奪三振は巨人菅野に次ぐ145個を記録し、1年目からファンの期待に応えたといえる成績だった。決して大きくはない身体から全身を使って全力でボールを投げ込むルーキーの姿に、次の年以降の成績を、新エースの誕生を期待したファンは少なくない。

 

 

 

しかし、2014年開幕投手として指名されたヤクルト戦で2回9失点で敗戦投手となった時から三嶋の歯車は狂い、この後長く低迷する。

 

 

 

ルーキーイヤーに記録したリーグ最多の79個のフォアボール。制球を求めるがゆえ全体のバランスを失い、三嶋の持ち味である躍動感が失われた。制球を気にするあまり球威が落ち、置きにいった甘いボールを被弾する姿を何度も見てきた。

 

 

 

2014年は結局8試合の登板で1勝2敗防御率10.88に終わると、その後2015年は復調の兆しを見せるも5勝止まり、2016年は1勝、2017年は0勝に終わった。

 

 

 

チャンスをもらっては打ちこまれることを繰り返した。自分の投球を模索してあがいていることはファンも見ていたが、結果が出なかった。「三嶋はもう終わった。」そう思ったファンは決して少なくなかった。

 

 

三嶋は中継ぎに活路を見出す

 

 

 

プロ6年目の2018年、三嶋に転機が訪れる。こだわってきた先発の役割から、救援専任として光明を見出す。当初は敗戦処理からスタートし、徐々に重要な役割を任されるようになり、ワンポイントリリーフからセットアッパーまで、勝ち試合でも負け試合でもフル回転の活躍をする。中継ぎながら1軍にフル帯同し、7勝2敗防御率3.97の成績を残す。久しぶりにファンが見た三嶋の輝きだった。

 

 

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中継ぎ転向後の復活劇にファンは感慨深い感情を持ったのは言うまでもない。一方で不安もある。中継ぎ投手が60試合というフル回転をした次の年に成績を落とすことは少なくない。

 

 

「疲れているから、ではダメな世界なんですよ。そこを言い訳にしたくないし、良かったシーズンの翌年ダメだったら一気に下降線をたどるのは自分が一番理解している。もう僕の年齢を考えれば、波がどうのとは言っていられない。何度も失敗してきた自分の野球人生。いろいろ感じてきた部分はあるので、それをいい意味で表に出して考えるよりも攻めていきたいんです」

 

 

 

その言葉通り、ファンの不安を振り払うかのように2019年のシーズンも三嶋は躍動した。防御率4.33ながら71試合に登板しチームの中継ぎ事情を支えた。三嶋はチームに欠かせない存在となった。

 

 

 

裏切ってきた過去を燃料に三嶋は今最高にカッコよく輝く

 

 

迎えた2020年、中継ぎ投手としてシーズンをスタートさせた三嶋は、7月29日にチーム事情からクローザーを任される。

 

 

 

ファンはまた不安を感じる。例年にも増して難しい場面で起用されること、ここ2年の疲労の蓄積なのか、序盤は打ち込まれることも少なくないシーズンだった。たしかにチームに欠かすことの出来ない投手となったことは間違いないが、チームのクローザーを任せられるのか。大きな期待と裏切られた過去。過去に囚われ三嶋を信じきれていないのはファンの方だったのかもしれない。

 

 

 

クローザーの座を与えられた三嶋は躍動する。150キロ以上のうなりあげる速球に鋭いスライダー、そして今年から取り入れた大きなカーブと鋭く落ちるフォーク。ここまで打たれることが想像できないほど打者を圧倒し、試合を完結させている。

 

 

 

もう三嶋は終わった、と誰もが思ったどん底からのチームのクローザーへの復活劇。ルーキーイヤーに夢見た三嶋のチームを背負う姿は、8年越しにクローザーという姿で実現されることになった。

 

 

 

「見返してやりたい」

 

 

三嶋は自分のモチベーションをこう表現するが、低迷した数年間を取り戻したい気持ちはまだまだ燃えている。最高にカッコいい三嶋の姿を、ファンも一緒に数年間の悔しい気持ちを晴らすべく、応援していたい。