公認会計士はNumber風にベイスターズを語る

公認会計士の中で最も横浜ベイスターズファンと自負するファンがひたすらベイ愛を語るブログ。ただそれだけ。

連敗はただの巡り合わせ。でも山崎康晃の復調無くして浮上なし。

 

かつてない混乱を経て待ちに待った開幕。小さくない不安と抑えきれない期待を抱えてファンは無観客の公式戦をテレビ越し、ネット越しに見つめて声援を送る。

 

 

 

下馬評通り順調に滑り出したかのように思えた。筒香を欠いた打線は新加入オースティンと新四番佐野の起用がハマり、ファンの不安を吹き飛ばすがごとく機能した。ここ数年辛い姿を見せてきた梶谷が傍目から見てもかつてない集中力と覚悟を持って試合に臨み、長年チームを悩ませた1番バッターの枠にはまり躍動した。宮﨑とソトはこれまでの実績にプレッシャーを感じないのか不思議なほど打ちまくる。誰かが打てない日は他の誰かが打つ。まさに好循環だった。

 

 

 

しかし、勝ち星が順調に積み上がり一気にペナントレースの上位に躍り出るのかと言えばそうはならない。不調な投手陣を打線がカバーしながら一進一退の戦いが続いた。6月26日から勝ちと負けが交互に続き、その数は7月15日まで16試合連続となる。これは長いプロ野球の歴史の中でも最長を更新した。

 

 

 

ファンはもどかしいながらも勝った負けたを繰り返す新チームに頼もしさを覚えていた。また楽観もしていたかもしれない。一つ噛み合えば連勝の波が来るぞ。と。

 

 

 

 

しかし、ついに歯車は噛み合わず、チームは悪い方に向かっていく。

 

 

 

 

7月16日に中日に連敗を喫してオセロ記録が途絶えてから、歯車が狂い始める。開幕から打ちに打っていた打線に陰りが見え始める。オースティンをケガで欠き破壊力は半減する。開幕から好調だった宮崎が7月16日に2本の併殺打を決めてからチーム全体での併殺打が急増する。ヒットは出るのに点が入らない。チームは勝てない。焦りがさらにチームを悪循環へと引きずり込む。

 

 

 

チームは7月14日以来今日まで勝ち星から遠ざかって借金3の4位に沈む。

 

 

 

長いシーズン。連敗はつきものである。どんなに良いバッターでも3割しか打てないこの競技で、百何十試合とこなすなかでこのような偏りがでることは仕方のないこと。連敗の後には必ず連勝がくる。今や戦力で劣っていないベイスターズはこのことはよく分かっている。

 

 

 

でもクローザーは違う

 

 

 

チームの勢いに偏りがあっても、チームが好調だろうと不調だろうと、クローザーだけは常にその仕事を全うしなければならない。勝った状態で9回のマウンドを受け持った以上、そのまま試合を終わらせる。チーム全員が繋いできた8回のバトンをゴールまで運ぶ。抑えて当たり前、打たれて非難。自らの好不調はそこに考慮されない。

 

 

 

その過酷なポジションを新人から丸5年守り抜いたベイスターズの守護神は山崎康晃だ。

 

 

 

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2014年ドラフト1位で指名された山崎康晃は、2015年ルーキーイヤーから頭角を現す。前年クローザーを務めた三上が怪我で不在の中、大抜擢を受けた山崎康晃は新人らしからぬ度胸と投球で37セーブの新人最多記録を打ち立て、新人王を獲得する。

 

 

 

 

成績だけではなく、球界屈指の明るさとファンサービスの良さも有名で、ファンとの触れ合いを大切にする選手でファンがとてつもなく多い。Twitterフォロワー数76万人以上はプロ野球選手で最も多い。常にプロ野球選手はファンからどう見られ、どうしたらファンが、人が喜んでくれるかを考えている。ファンは控えめにに言って山崎康晃が大好きだ。

 

 

 

 

以後5年間、山崎康晃ベイスターズのクローザーを務め、今や日本を代表するクローザーであるが、常に順調なキャリアを歩んできたわけではない。

 

 

 

 

2年目の夏場の不調や、3年目の開幕時の不調によるクローザー降板など、その日の出来がチームの負けに直結する過酷なポジションで、当時20代前半の山崎康明の顔から笑顔が消え、涙を目にすることもあった。しかし山崎康明は決して逃げることなく、この立場を築いてきた。その姿にファンは共に成長してきた気持ちは強い。

 

 

 

そして6年目の2020年、名実共にチームの顔となった山崎康晃に異変が起きている。ここまで10試合の登板でセーブ数6でセリーグ1位ながら防御率5.79、セーブは既に2度失敗している。三者凡退で終えた登板は、まだない。投げる日によって球質が毎回変わり、不安定な投球が続いている。

 

 

 

本来の姿でないことはファンもわかっているが、不安はない。このような危機を何度も歯を食いしばって持ちこたえてきたことを知っている。そして今回もそれが出来ることを知っている。ファンは山崎康晃の復調を待つ。山崎康晃の投球がチームの命運を握っているからこそ、待てる。

 

 

 

代わりはいない。ベイスターズの勝利の瞬間のマウンドは山崎康晃でなければならない。調子がいい選手と交換ができるポジションではないこの過酷な場所で戦っている山崎康晃を見ていたい。ベイスターズファンと山崎康明には特別な信頼関係があるからだ。

 

 

 

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